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「約束の水」 ←長文

相変わらず忙しい毎日もなんだか少し遊びすぎな気がするのは

何故でしょう?ふふっ

僕だけ、こんなに楽しんでて良いのかなぁと

少しばかり後ろめたい気持ちになります。


さて、昨日は英語に行って誘ってもらった「約束の水」という

演劇を見てきました。

東京の劇団ということですが、劇団員7人の小さな劇団で

とてもアットホームな雰囲気が自然と笑顔を誘うんだよね。

話の内容も素晴らしく、ささやかに笑い涙しました。


舞台は、いまは誰も住まなくなった奥深い里山。

昔そこに住んでいて、移民としてブラジルに渡ったという女性の

お孫さんが尋ねてくるところから話は、始まります。

そのおばあさんは、日本を離れる際に小学校近くの湧き水で

お別れ会をしたとのことで、その水を飲みたいと日々語りながら

亡くなったというんだよね。

その湧き水をおばあさんは「約束の水」と言っていたとのことで

お孫さんは、そんなおばあさんの遂げられなかった思いを

代わりに叶えようと遥々サンパウロからやってきたわけです。

そこに登場するのは、同じく昔ここに住んでいたというおじいさんとその家族。

少しボケてきたという噂のおじさんは、おばあさん(奥さん)が死んで以来

寂しいらしく、ひとりで勝手に山奥にある昔の我が家に戻ってくることを

何度か繰り返していて、今回も息子夫婦と友達のきこりさんが探しに来たのでした。

もちろん、息子さんたちも昔はここに住んでいた人たちで

他には教育委員会?の女性と、おじいさんのお孫さんも出てきました。


山にはもう住めないと、おじいさんを連れ戻そうとする息子と

どちらかと言うとおじいさんの味方をしている奥さん

そして、もちろん山に愛着のあるおじいさんとのやりとりと

日本の里山の現状に驚きながらも

「約束の水」を見つけ出したいブラジルのお孫さんとの交流を通して

自然や故郷の意味と、

豊かさを求めてブラジルや満州に行った人たちの苦しみや

大きな町に飲み込まれていった山村の暮らし

住みにくくなったいまの社会の有り様を

実に楽しいおじいさんの演技で、ほのぼのと語っていくお話でした。


で、おじいさんは、なかなか約束の水を思い出さないんだけど、

ブラジルのお孫さんが話してくれるおばあさんの話を頼りに

ゆっくりと、または突然に、何かを思い出し、

息子に責められ最初は、ひどくしょぼくれてたのに

だんだん元気になって行く様が、見ていてとっても気持ちが良いんだよね。

八雲に帰ってきて、はしゃいでる僕といろんな意味でかぶるし

人間らしく生きることとか、介護のあるべき姿を見た気がしました。


おじいさんが言うには、テレビを1日中見て過ごすのはとてもツライし、

歳を取るといろんなことを忘れてしまうから

ここに来て少しずつ思い出しているというんだよね。

そして、あちこちに看板を立て、ここに誰が住んでいたとか

小学校のあった場所や山の名前を示し

また山に残る雪の形で種を植える時期を決めていたといようなことまでを

書き記しているのでした。

看板を誰が立てているのか、みんな不思議がっていたら、

実はおじいさんだったというオチなんだけど、

やっぱり人は生き甲斐を持って

心豊かに生きれば元気になるということなんだろうね。

最後にはすべて思い出したじいさんは、

いつの間にか曲がった腰もピンと伸び、張り切って「約束の水」を探し

目印のお地蔵さんを違う場所に移動させことや

そこに農協の倉庫を建てたことをおじいさんが思い出したことで

パイプを通して違う場所に沸き水を逃がしていることを

みんなで突き止めたのでした。

わからずやの息子も倉庫の跡地に「約束の水」を復活させようと言いだし

また「約束の水を守る会」を作り、ブラジルにはその支部を作るというこで

みんなで大いに盛り上がり、楽しそうに話は終わっていきました。


そんな中、出てくる話は

おじいさんの看板にもあったように人は昔、里山にあって

自然と対話しながら、畑を耕し、森で木を切りながら生きていたけど

そのためには水を大切に使うことが基本になっていた訳です。

水がなければ農業は成り立たないし、同じように森も育たないという話で

人が住まなくなった里山は荒れ放題だから

水を生み出す自然の仕組みも、ままならなくなるというような話。←たぶん

水の大切さも忘れ去られ、自然破壊が進めば農業に使える水が少なくなり

そうなると当然として食料を作り出せなくなる。

日本は食料や木材を輸入にたよっているけど、

それは水を輸入することと一緒で、

やがて世界的に水不足が加速すれば、食糧難も同時に起こり

当然として輸入も難しくなるわけです。

アメリカの大量生産も、莫大な地下水を消費してこそ可能になるけど

それも既に枯渇する可能性が出てきています。

でも、だからといって日本で農業をやり直そうとしても

いまさら農業用水をきちんと確保できるのかどうかは難しいところ。


人が生きるための基本は水。

自然を守る本当の意味は水を確保することなのだということを

考えさせられました。

温暖化やそれによって激化する自然災害に隠れて

見えにくくなってる水の問題こそ、実は1番恐ろしい事態を招くことを

忘れないようにしないといけないね。

日本が水に恵まれてるのは、自然が豊かである証拠。

いまからでも意識的に守っていかないと国が立ち居なくなるんじゃないかな?

科学技術が何でも解決してくれると考えるのは、本当に危険だろうね。


それから、移民のおばあさんは3年で帰るつもりでいたけど

向こうの生活はとても大変で、なかなか帰って来れないでいるうちに

戦争が始まり、それも不可能になったとのこと。

戦争中の話なのか、日本語を話すことは禁じられ、

日本人が3人以上で集まることも、とがめられる時代があったらしく

また水は沸かさないと飲めないということも語られていました。

演劇なので、いろんな話が多少繋がっているかもしれないけど、

移民の人たちはとても苦労したこと、故郷にとても強い思いを抱いていたことを

さりげなく伝えていました。


まぁいろいろなテーマはあるんだろうけど、

おじいさんには何度も笑わされたし、自然をテーマにした唄も楽しく

「ワシも、この山ももう終わりだ」とまくし立てた時の迫真の演技には

かわいそうで涙が出ました。

本当に楽しくて、時に涙して、とても勉強になる演劇でした。

うまくまとめられなくて、ごめんなさい。

ちなみにうちの両親の里は、ダムに沈むことになっていて

建物はすべて取り壊され、いまは草ぼうぼうの原っぱになってしまってるから

おじいさんにかなり共感していたようです。

前にその場所を尋ねたら、目印になるものが何もなく

行き過ぎてしまったということがありました。

父は自ら爆笑してましたが、なんだか寂しい話だよね。
 
 
 
最後に僕が書いたアンケートを載せておきまーす。

僕も去年、ふるさとの八雲に帰ってきて、最近は電動車椅子を手に入れ、懐かしい街の中を散策していますが、自然や故郷の良さを体いっぱい感じています。そんな中、今回の「約束の水」は、とても心にしみました。そういえば僕の人生も見慣れた山々に囲まれ、自分や時代がどんなに変わっても、いくつかの変わらない山の形に安心感を覚え、いつも見守ってもらっていたのだと感じました。自分の生まれ育った里で最後を迎えたいと願うおじいさんの気持ちにとても共感し、また生き甲斐を持てば、心おどる想いから元気になれるということも気持ちよく拝見させていただきました。最後はおじいさんの腰も記憶もまっすぐになっていましたね。また野菜や材木の輸入は水を輸入してることと同じというお話には、ハッとしましたし、森が大切ということは知っていましたが、森が育つにも水が必要ということ、畑や水田も水がければ成り立たないということなど、こぐ当たり前のことを忘れていた自分にも気づかされました。南米移民や満州とうの歴史も興味深く、唄も楽しく、細部にわたって心から楽しませていただき、本当にありがとうございました。自然と故郷を愛し尊敬して、これからもいろいろと頑張ろうと思っています。


明日は、空が笑えばお祭りに行ってきます。

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コメント

北海道の空は笑ってくれたかな?

のぶさん、長文をご苦労様。
ブラジル移民の・・・ちょうどタイムリーなお話で、尚更興味深く読ませていただきましたが、いいお話ですね。
私も最近はあまり行っていないんだけど、そういう小規模の劇団とかの演劇って、意外と面白いんですよね。
本当に演劇が好きで演じている人ばかりだから、熱意とか感じられて素敵なんですよね。
のぶさんも素敵な刺激を貰ってきたんでしょうね!^^
水にも感謝して・・・
そして、
>自然と故郷を愛し尊敬して
いい言葉ですね。^^

私も自分のふるさとに感謝して、これからも愛していきたいと思います。
こっちは大雨。
お祭りは行けたかな?

投稿: マリーナ | 2008.06.22 14:29

マリーナさん

ものすごく遅くなってごめんなさい。

そうなんですよね。今年はブラジル移民百周年。
おじいさん役の俳優さんが最後のあいさつで語っていて
それもあって作ったお話なのだそうです。

小規模劇団は僕も初めてでしたが
役者さんはみな生き生きとキャラクターを
演じていて、本当に演劇が好きなのだなぁと感じました。

内容もとてもしっかりしていて
たくさんのテーマを盛り込んでいるお話なのに
意外なほどさっぱりしていて、無理してる感じもなくて
すごく上手だなぁと関心ばかり。
なんだかとても演劇が好きになりました。
また機会があったら、飛びついてでも行きたいです。ふふっ

北海道の空は見事に晴れて、お祭りに行ってきましたよ。
詳しくはまた今日か明日にでもアップするので見てくださいね。

投稿: のぶ | 2008.06.23 18:10

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